「子どもが福祉手帳を持っているけど、ディズニーランドで無理なく楽しめるかな?」
そんな不安を感じているご家族へ。
東京ディズニーリゾートには、障がいや発達特性を持つお子さまをサポートするための公式制度があります。
「ディスアビリティアクセスサービス(DAS)」や「障がいのある方向けパークチケット」など、
知っているだけで“過ごしやすさ”が大きく変わる仕組みが用意されています。
本記事では、福祉手帳を持つお子さんと家族が、安心して1日を過ごすための「時間帯別ルート」を提案します。
・どうすれば列に並ばずにアトラクションを利用できる?
・お昼や夜はどこで休憩するのがベスト?
・家族で動きたい人と休みたい人、どうやって行動を分ける?
制度+動線設計の両方を組み合わせることで、「無理なく楽しく」過ごせる1日が作れます。
「うちの子のペースで、ちゃんと楽しめたね」と思える1日を、あなたのご家族にも。
それではさっそく、制度の基本と注意点から、時間ごとの回り方を見ていきましょう。
1. 福祉手帳で使える制度とチケットの種類
福祉手帳を持つお子さまのディズニー体験には、公式サポート制度が揃っています。ここでは、それぞれの内容と利用条件をわかりやすく整理します。
ディスアビリティアクセスサービス(DAS)とは?
- 発達・知的・身体に障がいのあるゲストが、スタンバイ列に長時間並ぶことなくアトラクションに乗れるサービス
- 対象は福祉手帳保持者または同等の事情があるゲスト
- 使用方法は、期間中1回のみパーク内のDAS登録所で登録し、発行される「2時間待ち時間優遇パス」を使って優先入場が可能
障がいのある方向けチケットと同伴者の扱い
- 福祉手帳提示で購入できる割引チケット(付添者1名まで無料または格安)
- 同伴者は手帳所有者と同じアトラクション・チケット扱いで、一緒に入場・乗車が可能
- 家族3~4名で複数施設を巡る場合、経済的なメリットが大きい
同伴者がアトラクションに入れる人数
- 原則として同伴者1~2名まで同乗可(アトラクションによって異なる)
- チャイルドスイッチとの組み合わせで交代乗車がスムーズに
- 利用時にはキャストへ「福祉手帳とパス」を提示し、同乗人数を確認することが大切
これらの制度を正しく理解すれば、“長時間並ばず、家族みんなでアトラクションを体験”“予算をかけずに楽しむ”というプランが現実になります。
次の章では、入園から朝にかけての理想的な動き方と制度のスムーズな使い方をご紹介します。
2. 入園〜午前中(9:00〜11:00):制度活用と初動行動の設計
入園直後から制度を正しく使い始めることで、無駄なくアトラクションを回れるスタートダッシュが可能になります。
① パーク入口で福祉手帳+割引チケット提示
- 入口では手帳と割引チケットを提示し、スムーズに入場
- キャストに「今日DASを申請したい」と伝えておくと初期対応がスムーズに
② DAS登録所で申請&“2時間待ち時間優遇パス”発行
- パーク内のDAS登録所(ゲストリレーションなど)で申請が可能
- 手帳と身分証明書の提示でシステム登録後、「2時間以内に使える優先パス」をスマホへ発行
- 登録後すぐ、その優先パスを使ってアトラクションへ入場可能に
③ 登録直後に狙うおすすめアトラクション
- バズ・ライトイヤーのアストロブラスター:混雑しやすい屋内系ライド系アトラクション
- モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”:スタンバイが長くなりやすいけどDASで優先可能
- “まず取れるパスは取る”的に、混雑予想される人気アトラクションを効率よくカバー
④ グループ別の初動戦略
- 【行動班】親+上の子どもがDASパスを使って人気アトラクションへ
- 【休憩班】祖父母や未就学児はショーやベンチでゆったり待機
- 約2時間後、再合流し順番交代で体験を分け合う
この“初動でDAS活用+グループ分け”の設計ができると、並び時間のストレスから解放されてスタートダッシュが可能になります。
次は『昼(11:00〜14:00):休憩と再登録タイム』へ進みます。
3. 昼(11:00〜14:00):休憩と再登録タイム
午前中にひと通りアトラクションを楽しんだあとは、昼食とDAS再登録タイミングを組み合わせた「体力温存の設計」がカギになります。
① DAS再利用の仕組みとタイミング
- DASは1回利用後に次のアトラクションを登録可能(原則1施設ずつ)
- 昼食前後の“動かない時間帯”に、次のDAS登録を済ませておくのが効率的
- 「食事しながら次の時間枠を待つ」ことで、行列待ちと体力消耗を回避
② 昼食におすすめの“やさしい空間”レストラン
- センターストリート・コーヒーハウス:完全屋内+予約可+静かな空間
- クイーン・オブ・ハートのバンケットホール:広めの座席でベビーカー利用可
- グランマ・サラのキッチン:地下の静かな空間、照明も穏やかで落ち着く
福祉手帳を持つお子さまにとって、「にぎやかすぎない」「暖かい」「ゆっくり食べられる」が重要です。
③ トイレ・着替え・休憩ポイントの選び方
- ベビーセンター(ファンタジーランド):静かな多目的トイレとケア設備
- 休憩:ショーベース裏、トゥーンタウン入口ベンチ(人通り少なめ)
- パーク内カフェ:午後早い時間は比較的空いていて、暖を取りやすい
「無理せず休む=午後のための準備」という意識が、次の行動をスムーズにしてくれます。
この昼の時間をどう使うかで、午後のペースが決まります。
続いて「4. 午後(14:00〜17:00):効率を保つ分断&合流戦略」に進みます。
4. 午後(14:00〜17:00):効率を保つ分断&合流戦略
午後の時間帯は、混雑と疲労が同時にピークを迎える時間です。
ここでは「行動派」「休憩派」にグループを分ける戦略が、無理なく効率よく楽しむコツになります。
① 家族を“動く人”と“待つ人”に分ける
- 行動派:DASを使って人気アトラクションを回る(例:スプラッシュ・スペース)
- 休憩派:ショーやベンチで過ごす、トイレや着替えを優先
- 再合流ポイントは「次のDAS施設前 or 休憩所」で事前に決めておく
② DAS合流利用を活かす家族行動モデル
- 例:親と子1人がDASで施設に入場 → 残りの家族は10分前に施設前で合流
- このとき、キャストに「DAS利用で合流したい」と伝えるとスムーズ
- グループごとの回遊で一人ひとりに合わせた体験が実現
③ ベビーカー&休憩動線の活用術
- ベビーカー置き場:トゥーンタウン・ファンタジーランドは広く利用しやすい
- 日陰と風除けを両立できる場所:プラザ周辺やイッツ・ア・スモールワールド前
- 気温が落ちる前に温かいドリンクを確保:スウィートハート・カフェなどでテイクアウト可
「その場で全員が同じ行動をしなくていい」という柔軟さが、午後の安心と楽しさに直結します。
この戦略を活かすことで、「疲れてるのに無理する時間」がゼロになります。
次は夜の楽しみ方と撤収タイミング、「5. 夜(17:00〜閉園):まとめ動線&体力温存ルート」に進みます。
5. 夜(17:00〜閉園):まとめ動線&体力温存ルート
日が暮れると気温は一気に下がり、パークの混雑も高まってきます。
この時間は「感動体験の締め」と「帰り道を想定した設計」がポイントです。
① DAS再利用で締めアトラクションを確保
- フィルハーマジック・イッツ・ア・スモールワールド:暗くても安心・家族でゆったり楽しめる
- モンスターズ・インク、アストロブラスター:人気が落ち着く時間帯、DASで再体験可
- 寒さを避けるなら屋内アトラクションがマスト
② 夜のショー・パレードの優先観覧エリアを活用
- 福祉手帳提示で、パレードの“優先観覧スペース”へ案内してもらえる場合あり
- 事前にキャストに相談することで、風除けや人混みを避けた場所で鑑賞できる
- パレードは家族全員で感動を共有するチャンス。寒さ対策+カイロで準備を
③ 帰路は「人混みを避けるルート」で設計
- 閉園10分前を目安にショップやゲートに向かう
- お土産は16時台〜17時台に済ませておくと混雑を回避
- 舞浜駅までのルート:エントランス→モノレール→駐車場または電車の分岐を事前に共有
最後まで笑顔で帰るには、“がんばらない導線”を事前に決めておくことが大切です。
次章ではこの1日の全体を振り返りながら、制度と動線を活かした「理想の家族ディズニー」についてまとめていきます。
まとめ:制度を使えば、福祉手帳が“家族の笑顔”を守ってくれる
ディズニーランドは、福祉手帳を持つお子さんとそのご家族にもやさしい制度設計とサポート体制が整っています。
今回ご紹介した「ディスアビリティアクセスサービス(DAS)」や「障がい者割引チケット」をうまく活用すれば、無理せず、家族全員が笑顔で過ごせる1日がつくれます。
「長時間並ばない」「静かに過ごせる場所がある」「行動を分けても合流しやすい」
そんな安心感があれば、家族旅行そのものがぐっと楽になります。
“無理をしない。でもちゃんと楽しむ。”
それが福祉手帳を持つご家族にとっての、ディズニーの理想的な過ごし方です。
📝記事内容の簡易表:福祉手帳を持つ子連れ家族の効率的な周り方
時間帯 | 行動のポイント |
9:00〜11:00 | DAS登録/人気アトラクションを優先的に体験/初動グループ分け |
11:00〜14:00 | 昼食・DAS再登録/ベビーカー・休憩導線を整備/静かなレストラン |
14:00〜17:00 | 家族を分けて行動/DAS合流戦略/再集合とゆったり観光 |
17:00〜閉園 | 夜のショーを優先観覧エリアで鑑賞/早めの買い物/無理せず退園 |
この1日が、「わが家のディズニー成功体験」になりますように。